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目白バースハウス(目白助産所)

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訃報 佐々木ミサホ先生

お会いしたのは1度だけでしたが、その凛としたお姿はとても美しくて、全身からオーラが輝いているように見えて、とても素敵でした。佐々木ミサホ先生が8月10日に亡くなられたとの訃報を昨日伝えられました。
 
私が大学院に行って、舌のマッサージついて研究したいと思ったのは、この佐々木先生から教えていただいたからです。最初は直接ではなくて、親友の佐藤さんを通して間接的に、ですが。
 
長女を出産して、いざ授乳する時に全く子供の舌が乳頭に絡まらず、スカッスカッという感じで逃げてしまうのでした。助産師として色々な方の授乳について見てきたので、それについては全く驚くことはありませんでした。私も母から、母乳が出なかったのでミルクで育てたと聞いていたので、この状態は想定内だったからです。理由は舌小帯短縮症は遺伝する確率が高いと思われるから、でした。その為に産後元夫の家に帰ってしまう選択をしたので、大変辛い事になりました。
 
幸い産後1ヶ月健診を1週間早めてもらって、自宅、実家に帰ってから、子供に舌小帯切除術を受けさせて、その後は問題なく授乳出来るようになりました。
 
その後10年ほどして、私が睡眠時無呼吸症候群の疑いで、オトガイ舌筋を切開してしまって、それが元で体調の不良を感じることになりました。特に消化器系全ての。
 
その様な体験をしたので、『舌』についてはかなり興味を持っていました。その働き、動き、吸啜時の乳頭の巻き込み方、など数えたらきりが無いほどの疑問がありました。
 
その1つの、吸啜時の舌の動きについて、「吸啜時の母親の乳頭痛がどうやったら軽減、又は消失して授乳しやすくなるのか」の問題の答えを、佐々木先生から教えて頂きました。
実際に教えて頂いたとおりに手技してみると、ビックリするくらいに乳頭痛は治まって、普通に授乳することが容易になりました。今から15年あまり前のことになります。
 
お陰様で今では乳頭痛を訴えるお母様はごくわずかになりました。全ての工程が2分弱て終わり、その後直ぐに授乳できるという、ミラクルな方法です。
今は私の研究を引き継いで、後輩が研究してくれています。先生が教えてくださったことは引き継がれて研究していきます。まだ次の研究の途中ですし、コロナ禍でもあったので詳しくご報告もできずにそれは後悔しています。来年には全てについてのご報告ができるはずでしたのに。
 
佐々木先生の教えて頂いたご恩にむくいるためにも、来年から舌マッサージの方法を伝えて行こうと思っています。
佐々木先生のご冥福をお祈りします。
ありがとうございました。先生との出逢いに感謝しております。

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